旅館の浴衣の製造工程

 

あまり知られていませんが、繊維産業はとても分業化が進んでいます。

一つの工場で全て作られておりません。

それぞれの工程に専門の工場があり、専門家がいます。

 

 

 

〇旅館の浴衣ができるまで

基本的に旅館の浴衣はオーダーメイド。

受注を受けてから、生産されます。

 

新規で作る場合は、約一ヵ月半。

追加注文で作る場合は、約一ヶ月かかります。

 

 

晒生地
晒生地

〇加工前の生地

 

旅館の浴衣を作る場合、最低ロットは100枚~。

晒生地もかなりの量が必要となってきます。

 

これは小巾の生地ですが、60反まとめられています。

 

 

プリント加工
プリント加工

〇プリント加工

 

業務用のディクセル方式でのプリントです。

これは色を乗せた直後の写真。

このあと色々な工程を得て、染めが完了します。

 

染め上がり生地
染め上がり生地

〇染め上がりの生地

 

このまとまり一つが12反=1束。

小巾生地の最小単位です。

 

これを縫製屋さんに渡して、裁断・縫製となります。

 

 

裁断
裁断

〇裁断加工

 

浴衣はまとめて裁断台に伸ばされたのち、同じサイズ毎に裁断されていきます。

また部品ごとに裁断する場合もあります。

 

この裁断は、縫製屋さんが行う場合もありますが、専門の裁断屋さんが行う場合もあります。

 

 

縫製
縫製

〇縫製

 

縫製は「縫い子さん」と呼ばれる内職にお願いされます。

熟練の縫い子さんは、一日に20枚弱の浴衣を仕上げます。ですが年々高齢化が進み、後継者がいない事が大きな悩みのたねです。

 

 

仕立上がり
仕立上がり

〇仕立上がり

 

旅館の浴衣は同じものが大量に必要です。

また納品後はすみやかに洗濯され、お客様に出されるようになります。

そのためビニール梱包などは施されません。