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「日本の色 染司よしおか 吉岡更紗の仕事」

三重県菰野町の美術館”パラミタミュージアム”にて開催されていた「日本の色 染司よしおか 吉岡更紗の仕事」に行ってきました。

いや天気の良い春の日の渋滞ぶりを甘く見ていて、無事に言ってくることが出来ました、と言ったほうがいいくらいの大変さでした。

 

菰野町というと御在所岳の麓であり、湯の山温泉のすぐ近く。

以前勤めていた会社での営業範囲であり、湯の山温泉のリネンサプライには本当にお世話になりました。

なので、湯の山温泉には自分の作った浴衣を使っているホテル・旅館様が何軒かあります。

ホント懐かしい気持ちで走っていましたが、そう言えば営業に行かなくなってしばらくして温泉に入りに行った時に、途中の道すがらおしゃれな建物を作っていたな、と思い出したのがこのパラミタミュージアムに着いたとき。

建設中の建物が美術館であり、まさかその美術館が今回の目的地だったなんて、色々と思い出にふけってしまいます。

 

 

染司よしおかは京都で200年続く染め物屋です。

今は6代目の吉岡更紗が当主なのですが、4代目の吉岡常雄の時に伝統的な自然染料しか使わないことを決め、一旦は途切れてしまった古代の染料を復活させて今に伝えています。

そのきっかけとなったのが正倉院に保存されている宝物であり、数百年を超えて色褪せていない当時の布物を見て化学染料の限界を感じ、数百年後も鮮やかに残る色を作り出して今に至っています。

 

 

今回自分がこの展示を見に行きたくなったのは、根本となる色がどのようなものか、色の格式、色の合わせ方を勉強したいと思ったからでした。

元々、京都で染め物と言えばその対象が正絹であり、弊社は木綿が主力であり、動物性タンパク質への着色と植物性タンパク質への着色という根本の違いがあります。

例えば「赤」を染めるにしても、同じ染料を使っても正絹と木綿では全く違う色になります。

元々の素材の性質が違うためどうしようもないところなのですが、でも違うということを知っているのと知らないのでは大きな違いがあります。実際の話、お客様が希望された色の大元が正絹であり、今回は木綿を染めるとなるときちんと違いを説明する必要があります。

 

いや色は本当に難しい

でも簡単にできると思われているのが現状です。

 

 

展示物を見てまず驚いたのは、その鮮やかさ。

本当に天然染料だけでコレだけの色が出るなんて、江戸時代は染め物屋はそれぞれ得意な色があり、その色を出すのは企業機密であり一子相伝だったと聞いたことがありますが、コレだけ鮮やかな色をみるとその話も実感を持って感じられます。

 

当然のことながら、服は1色だけではありません。

複数の色を合わせて着るのが普通だし、模様だって当たり前です。

昔は今と違いその人の地位によって使える色も模様も制限されていました。

そこから色や模様に格ができ、下の人には使えない色や模様が存在します。

そう言えば、大阪万博の時に天皇陛下しか使えない色の服をどこぞの服飾学院が作って着たことがニュースになりましたが、まさにそれです。

 

今回の展示は、その”色”についての格式を教えてくれました。

とても見やすい、グラデーションのような形で。

もうコレだけでも見に来たかいが合ったと言っても良いくらいです。

 

 

今回の展示会、とても勉強になったのは「かさね色」について。

「かさね色」とは、下が透けるくらい薄手の布を上着として使い、下の色が透けて見えるのを楽しむことです。

それだけだと鮮やかに見える色も、上に一枚布が重なることにより、あまくはんなりとした色に変わります。

その”色のかさね方”の展示が、本当に勉強になりました。(帰りに本を買ったくらい)

 

 

布がメインの展示でしたが、他にも和紙を染めており、東大寺など古寺の式典に使われる諸々の小物に使用されているとのこと。

化学染料では耐久性が心もとないのですが、やはりきちんとした天然染料は長く持つそうです。

 

 

 

天然染料の鮮やかさ、長期の耐久性だけでなく、色の格、かさね色など収穫の多い展示会でした。

当初、あまりの渋滞に戻って帰ろうとも考えましたが、本当に訪れて良かったです。

さて、あとはこれをどうやって仕事に落とし込めるのか、色々なアイデアはありますが・・・