小巾の生地を取り扱っている問屋さんからのお話で、「4月から生地価格が上ります。」とのこと。
別の生地問屋さんは、「4月から加工賃が上がるのは本当ですが、ウチは価格を据え置きます。」
要は、小巾生地を白くする晒加工の加工賃が上がるのは間違いないけど、4月に転嫁するのか、4月は転嫁しないけど後で転嫁する、ということです。
浴衣(寝巻きしたて、本仕立ての両方)の生地や、手ぬぐい、素材としての晒生地で使われている小巾生地は、国内で晒し加工しています。
その晒加工をしている工場は大阪と愛知に集中しているのですが、規模は大阪のほうが多くて小巾生地のほとんどが大阪で晒し加工をしています。
その大阪の問屋さんの話が、「4月から生地価格が上ります。」です。
今回の晒加工の工賃が上がる件ですが、一見すると今なんでも価格が上がっていてそれに合わせて加工賃を上げてきたのかな、みたいに感じますが、実際詳しく話を聞くと今までの加工賃が非常に安く価格を上げていかないと今後仕事が続かない、とのこと。
で、一気に上げるとお客様の負担も大きいので、数回に分けて上げているとのこと。
今回の値上げは晒加工工場一社の値上げではなく、大阪の晒工場の組合全体の値上げだそうなのでどこか値上げしないところがあるわけではありません。
また先に書きましたが、愛知県の晒工場は規模が小さいのと、うーん安いのかな大阪よりも、値段に関しては甚だ疑問です。
あと価格のことばかり書いていますが、晒工程はその後の染色工程に非常に影響を与える工程です。
製品がきれいに仕上がるかどうかは、晒工程の上手さに左右されます。
なので単に安い高いを問題にしている場合ではありません。
繊維産業と言えば、今まで安く安くとにかく加工工場を押し付けて安くやらせて、文句を言ってきたら「じゃあ他の工場でやるから。」「オタクには仕事出さないから」と脅して値上げをさせませんでした。
新型コロナ禍の際、今まで安くやっていた工場が軒並み潰れました。
残った工場は、今までの反省もあり採算が取れるような価格を出すようになってきました。
そんな流れの中での値上げになります。
値上げの話をすると、じゃあ他の工場を探すか安いところはないか、という人が多いのが現状の繊維業界。
でも、個人的にはこう思います。
加工賃を上げるのは未来への投資なんだと。
今も、これからも踏ん張ってモノ作りしていってもらわないと困ります。
一旦途絶えた技術を復活させるには非常に大変です。それより技術を絶やさないようにしていくほうが楽です。
目先の安さよりも、自分たちがこれからもずっと仕事を続けていけるようにするため、こちらもできるだけ協力するので加工工場には頑張ってほしいと思います。
