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旅館浴衣の補充

旅館やホテルで提供される寝間着浴衣は消耗品です。

会計時の科目が「消耗品」というわけではなく、いや科目も「消耗品」なのですが、毎日毎日たくさんの人が袖を通し、毎日毎日激しく業務用の洗濯機で洗われておりますので、浴衣自体がどんどんと劣化していきます。

というより劣化するのが当たり前。しっかりと使われているのは浴衣冥利に尽きるというものです。

 

で、何度も言っておりますが、日本製の旅館浴衣は100回洗濯できることを目指して作られています。

中国製の浴衣は、あまり耐久性を求めて作られていないので、日本製の半分程度の耐久性。

 

 

先日、ある旅館さんから「浴衣の補充を考えているんだけど・・・」と連絡がありました。

問い合わせいただいた旅館さんは、今選べる浴衣サービスを行っており、今回5柄各10枚ずつの補充を考えているとのこと。

使っているのは当然中国製の浴衣です。

で日本製の浴衣でも、中国製と同じように5柄各10枚ずつできるかとの相談でした。

価格も中国製と同じ価格でできないかと。

 

申し訳ありませんが、ご希望どおりにはできませんので「即お断り」しました。

 

 

弊社ではあまり中国製の浴衣を取り扱っていまいので、大体の価格となるのですが、中国製の浴衣(カラー浴衣)は3000円/枚くらいでしょうか。

日本製の浴衣で定番在庫品なら、カラー物で4500円くらいです。

オリジナルでつくった場合は、条件にもよりますが単色もので3000円弱くらい。

 

こうしてみると中国製の浴衣はカラーだし、単価も安く感じます。

中国で作って日本の商社が在庫していますので、必要な時に必要な数だけ購入できるのも魅力的です。

 

 

ただコストを考えると、果たしてお得なのかは疑問が残ります。

 

今、色々なところで採用している「選べる浴衣サービス」。

日本製で名前入りの浴衣を作る場合、旅館・ホテルの収容人数の5倍の数をそろえます。

つまり日本製で名前入りの浴衣は1種類しかつくらないので5倍の数なのですが、選べる浴衣の場合1種類につき3倍の数を揃えるのが適当になりますので、5種類あれば収容人数の15倍の数をそろえなければいけません。

 

その後、補充が必要になった時、中国製の浴衣は必要な時に必要な数だけそろえられますが、日本製よりも耐久性が半分しかないので補充のサイクルは当然短くなり、1枚単価は安くてもトータルで考えると割高になります。

 

例えばの話ですが、収容人数30人の旅館の場合、中国製の選べる浴衣なら450枚を最初に揃える必要があります。

日本製でしたら150枚です。

中国製:3000円/枚✕450枚:1,350,000円、日本製:4500円/枚✕150枚+型代50,000円:725,000円

 

2年後、大体中国製は半分くらいの数量を入れ替えます。

3000円✕200枚:600,000円

日本製でしたら、2年だと補充入りませんがもし入れるとすれば50枚くらい

4500円✕50枚:225,000円

 

 

先に上げたお客様、選べる浴衣で5種類10枚ずつを希望されていましたが、もし日本製で名前入りの1種類の浴衣を使っていたら50枚の作成でしたら問題なく作れます。

中国製と同じように日本製で5種類10枚ずつ作るとなると、1枚あたりはかなり高価になりますが。

 

 

 

ちょっと話は変わりますが、旅館やホテルで使う寝巻き浴衣は、やはり名前入りのほうが良いと思っています。

旅行に行った時、その様子をSNSに載せる人がかなり多くいると思いますが、その時に名前入りの浴衣であれば宣伝に繋がります。旅館・ホテル側で広告を打つのではなく、泊まったお客様が無料で勝手に宣伝してくれることになるのですから。

 

 

あとですね、これは暴言になりますが、「選べる浴衣サービス」はその旅館・ホテルを選ぶときの条件にはなりません。

旅行に行った時に旅館・ホテルを選ぶときの物差しは、料理だったり温泉だったり、建物の雰囲気だったりします。

なのでそれ以外はできるだけコストをかけないように、と言っても宿泊されたお客様に不快な印象を持たれないようにする必要があり、そういったところからも、「選べる浴衣サービス」ってあまり良くないのではと感じます。

 

そうは言っても「選べる浴衣サービス」を採用している旅館・ホテルは数多くあり、だからこそ今のうちにオリジナルの浴衣を出す旅館・ホテルが今後勝ち残っていくのでは、と思ってもいます。

そう、できれば弊社のお客様が今後も勝ち残っていくために、「選べる浴衣サービス」を続けていく旅館・ホテルが多いほうが良いのかも。

あまり大きな声で「選べる浴衣サービス」はやめたほうが良い、なんて言わないほうが良いのかな。