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旅館浴衣の納品の姿

業界の人なら当然知っていることですが、業界以外の人には意外と知られていないのが、旅館浴衣の納品の姿です。

 

旅館浴衣は、10枚とかのちょうど良い単位でまとめられて紐でくくられる、または袋に入れられてダンボール梱包です。

間違っても1枚ずつ個別包装はされていません。

 

 

旅館浴衣

業界以外の人から見ると、かなりの手抜き梱包に見えるらしいのですが、いやいや手抜きではありません。

(梱包するのに楽なのは楽なんですが)

 

旅館浴衣の場合、お客様である旅館・ホテルやリネンサプライ会社に到着した後そのまま宿泊されたお客様へ出されるわけではありません。

一度洗濯をし、製造時についたゴミやホコリをきれいに落とした後から提供されます。

 

そう、事前に洗濯をするため、すぐに洗濯機に入れられる形での納品が望ましいのです。

 

 

これが小売商品のように個別包装されていたら、簡単に想像できると思いますが一つ一つ包装を破り(外し)、洗濯機に入れられるよう裸にしていきます。

旅館浴衣の場合、少なくても100枚、多い時には1000枚とかあるわけで、例えば中をとって500枚の浴衣を事前に洗濯するとした場合、500編み分の浴衣の包装を破り(外し)て行く必要があるわけで、それを考えただけでも大変な仕事だと想像できます。

もしそれが裸で10枚ずつ紐で括られているだけだったら紐を外すだけで良いわけで、個別包装の時と比べて非常に楽になります。

 

 

なので旅館浴衣は個別包装になっていないのです。

時々旅館浴衣を小売したいという相談が来ますが、「え!個別包装じゃないんですか、普通個別包装でしょ!」とか言われても、あなたのいう普通は業界の普通じゃなくて、もし個別包装なんかしたら旅館・ホテル、リネンサプライ会社が怒鳴り込んでくるくらい非常識なことだったりします。

 

ですのでご希望があった場合のみ、別途に手数料をいただいて個別包装をいたします。

 

 

旅館やホテルで使われるものは、浴衣だけじゃなくても個別包装はしません。

到着後洗濯をしない「茶羽織」や「陣羽織」「浴衣帯」なども、まとめて袋入れするか、裸で紐でくくった形です。

 

例えば茶羽織の場合は到着後に袋からだし、棚に納めていきます。

袋詰のままより、外気に当たったほうが良い状態になります。

(日光など紫外線で退色しますので、光が入らない部屋で保管します)

 

帯も茶羽織などと同じように保管いたします。

 

茶羽織も、帯も個別包装はしません。

「個別包装じゃないなんて普通じゃない!」と声高に言われても、業界的にはこのやり方が一般的であり皆が助かる方法でもあります。