浴衣の染め方(色の付け方)には、大きく分けて二種類あります。
「染料」と「顔料」です。
染料を使った物といえば、「注染」。
顔料を使ったものは、「プリント」。
染料は繊維に染み込み化学反応で色が出ます。
顔料は繊維の上に乗っかっていて、色は顔料そのままの色です。
で、今回言いたいのは、「染料は滲みます」「顔料は滲みにくいです」と言う事。
上の説明通り、染料は繊維に染み込みます。
なので、なんにも処理をせずに染めると、染料が繊維に沿って広がっていきます。
![生地に染料を落とした](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sc165f17bb730e57e/image/i106a5f4f5b4b6464/version/1673664455/%E7%94%9F%E5%9C%B0%E3%81%AB%E6%9F%93%E6%96%99%E3%82%92%E8%90%BD%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%9F.jpg)
染み込む=にじむ、言い方は違いますが繊維に染料が入っていくという点では同じ事です。
なので染料を使ったデザインの時は、にじむ事を前提として考えないといけません。
染料を使った浴衣といえば「注染」です。
注染ゆかたの特徴といえば、きれいなグラデーション。
このグラデーションは、にじむことをうまく使った染め方です。
![注染のグラデーション](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=480x10000:format=jpg/path/sc165f17bb730e57e/image/ibfc24db71ad4a604/version/1673665120/%E6%B3%A8%E6%9F%93%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3.jpg)
![注染 染め方](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=480x10000:format=jpg/path/sc165f17bb730e57e/image/i71b8a9dcaac843b0/version/1673665135/%E6%B3%A8%E6%9F%93-%E6%9F%93%E3%82%81%E6%96%B9.jpg)
「にじむ」ということは、細かい部分が苦手ということもあります。
細い線、小さな白い点などは、染料のにじみで潰れてしまいます。
どうしても細い線を出したい場合は、顔料プリントを使うしかありません。
顔料プリントは、繊維の上に顔料が乗っかっているだけですので、にじみはほとんどありません。(若干はあります)
なので相当細かな線も再現できます。
![浴衣 プリント](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sc165f17bb730e57e/image/ia7ecc450cb78fb9e/version/1673665353/%E6%B5%B4%E8%A1%A3-%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88.jpg)
浴衣は下着に近い素肌に着ることが前提の着物です。
なので生地の柔らかさ、硬さが重用だったりします。
- 染料は繊維に染み込むので柔らかな風合い。
- 顔料は繊維に乗るので硬い風合い。
ざっくりというと、この違いがあります。
顔料が硬いと言っても所詮布にプリントなので、少しの時間着るだけだったら気になりません。
ただ朝から晩まで一日中着ていると、やはり気になるポイントかと思われます。
ということでまとめてみると、
- 細かなデザインは諦めるが、風合いの柔らかな染料
- 細かいデザインが出来るが、風合いの硬い顔料
どちらをとるのか、これはお客様次第になってきます。
(実際は他にも色の深みやグラデーションのしやすさなど他の違いもあります)
「注染で浴衣を作りたいけど、細かなデザインをどうしても使いたい」と言うのは、かなり無理があることをご了承下さい。
また、無理なデザインの場合は、こちらから訂正案をご提案させていただくこともあります。
その際はよろしくご了承下さい。