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中国製 総裏仕立て茶羽織

ネットショップに新しくアップした「中国製 総裏仕立て 茶羽織」です。

この茶羽織の目玉は、「水洗いOK」とのこと。

新型コロナ禍の影響で、茶羽織、陣羽織も毎回洗いたいという希望があって、それに対応するように「水洗いOK」の茶羽織を中国メーカーが出してきました。そのスピードはさすがです。

 

Yahoo!ショッピング アイエス産業 中国製茶羽織

https://store.shopping.yahoo.co.jp/ryokan-yukata/tb-itk8070.html

 

 

 

水洗いできる」を目指して作られただろう茶羽織です。

 

表生地は洗濯してもシワのつきにくい梨地織りの一種「うずら織」。

素材はポリエステル100%。

 

 

ただ、ポリエステル100%ですと防寒着として使えません。

暖かさは皆無です。

なので仕立を「総裏」仕立にしてあります。

 

さらに、シワのよらない「うずら織」生地は、逆にハリがありません。

一般的な茶羽織のように半裏にするとタラタラになってしまいます。

「総裏」仕立は、少しでもハリをもたせて着姿がきれいに見えるようにしている役目もあります。

 

 

と、ここまでですととても良い物のようにみえますが、やはり中国製だな、と思う点もいくつかあります。

 

先にも上げた「うずら織」というハリのない生地ですが、タラタラであるということは重いです。

身体にまとわりついて、生地自体の重さ以上に重く感じます。

さらに総裏にした分、重量がかかります。

結局、普通に使われている茶羽織より、「重くて着姿が汚い」ことになります。

 

もう一つ。

水洗いOKとなっていますが、総裏ということで裏にぴっちり縫い付けられているということは、空気の抜け道が有りません。

水の中に入れても空気がうまく抜けず、洗濯が不十分になる可能性があります。

業務用の洗濯機はドラム式が多いのですが、空気がうまく抜けないと中で暴れてしまう可能性もあります。

 

本当に水洗いできるかどうかは、一度洗濯をしてみてから判断してください。

(洗濯方法は、それぞれの業者によって異なります)

 

 

中国製だな、と思う点は、売れそうな商品だということです。逆に言うと使うのに難がありそうだということです。

新型コロナ禍にかけて、この茶羽織はとても売れそうな商品です。ですが先にも上げたように問題点は色々とあります。

今回弊社でもネットショップに掲載したのは、問い合わせがかなり多くなってきたから。

ただ、このブログを書いている通り、本当にこの茶羽織が良いのかは弊社では判断つきません。

 

 

自分が駆け出しの頃は、旅館やホテルのオーナーさん、リネンサプライの責任者などお客様から色々と教えていただきました。

そこで、業務用の繊維製品は一般向けの繊維製品とは違うものだと気付かされました。

そして使う人の目になることが大事である事を教わりました。

 

ところが最近の業界の傾向として、旅館・ホテル側が自分たちが使いやすいものではなく、見た目やカタログの言葉に影響されて商品を選んでいるような気がします。

旅館・ホテル一軒一軒色々と違うわけですので、できればご自分のところの状況に合わせて茶羽織を選んでいただきたく思います。