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業務用ということ

業界的には当たり前の話なので、繰り返し書くことはどうかと思いますが、改めて。

 

旅館やホテルなどで使われる繊維製品、これを業務用の製品と呼びます。

もちろんいろいろな産業界があり、それぞれその産業界でしか使われない繊維製品も業務用繊維製品となります。

様々な産業界の中んみ旅館・ホテルと言った観光業も含まれるわけであり、基本的に旅館・ホテルで使われることを想定して作られている繊維製品=業務用、となります。

 

一応、定義らしいものを・・・・

 

 

で、旅館・ホテルで使われるものと言えば、シーツや枕カバーといった寝具もあれば、タオル類、浴衣や羽織など色々とあり、一般家庭で使われているものと一見して同じようなものが多いと思います。

ですがやはり旅館・ホテルで使われているものは、それ専用に作られており、一般家庭用の商品とは似て非なるものだったりします。

 

 

 

一般家庭用品と旅館・ホテル用の品と何が違うのか。

 

そもそもを考えると、使われる環境の前提が違います。

一般家庭用の製品は、個々の家庭で使われます。

旅館・ホテル用の製品は、不特定多数の人が使います。

 

旅館・ホテルで出された浴衣は自分が袖を通す前に誰が着ていたのか、小太りのおじさんが着ていたかもしれないし、ハタチくらいの若い子が着ていたかもしれません。

でも事前に誰が着ていようと構わないくらいきれいに洗濯をされて出されているわけで、だから安心して袖を通すことが出来ます。

布団に掛けられたシーツもそう。ノリがよく効いていてパリパリ剥がしながら足を滑り込ませる。とても気持ち良い瞬間です。

でも安心してシーツに包まって眠れるのも、毎回毎回きれいに洗濯をしているからです。

 

そう、泊まった人が安心して身を預けられるくらいの清潔なモノ。

そんじょそこらの洗濯をしているわけではありません。

業務用の洗濯機と洗剤を使い、漂白剤や殺菌剤などの薬品も時々使いながら徹底的にきれいに洗濯をしているのです。

 

 

 

一般改定用の繊維製品と旅館・ホテル用の繊維製品の違いは、丈夫さです。

業務用の洗濯に耐えられるように、旅館・ホテル用の繊維製品はつくられているのです。

 

シーツでもタオルでも家庭用の物と形は同じ。

でも生地が違います。糸も打ち込みも仕立ても、全てが違うのです。

 

浴衣なんかもそうです。

最低でも100回洗えることを目指して作られています(日本製に限りますが)

 

この間ふとん屋さんで見たのですが、一般家庭用の布団カバーで「丈夫な高級品」と書いてあったのが、180本ブロード生地の商品。

180本とは糸の打ち込み本数ですが、数が多ければ多いほどたくさんの色を使っている=丈夫、となります。

で、業務用の布団カバーは最低186本。もしくは204本。家庭用よりも打ち込み本数が多いのです。

 

そう、それだけ丈夫に耐久性があるように作られているのが、旅館・ホテルで使われている業務用の繊維製品なのです。

 

 

 

その、旅館・ホテル用の繊維製品ですが、一般家庭用の物と比べて価格が高いのかというと逆だったりします。

一般家庭用よりも安いのです。

「同じものを大量に作るから」とか「中間業者が少ないから」とかいろいろな理由がありますが、僕が考えるに一番大きな理由は「製造業者が安売り合戦をしたから」です。

 

ホント、馬鹿な話ですが、「相見積の話が来たらすぐに見積もりを出すな。できれば最後にしろ。お客さんから他の業者の価格を聞いて、それより安く売れ」

未だにこの業界の営業の主流がコレです。

安くした分は製造工場に押し付けます。工場は仕事がほしいので安くても受けます。原材料費は大体決まっているので、人件費を下げます。

こうして安く作るのですが、この流れには無理があります。いずれ詰まるのがわかっている流れです。

 

今新型コロナ禍で仕事が少なくなりました。こうなると人件費を下げて安く作っていた工場が体力不足で地潰れています。

そう、今、ちょうど今、詰まったところです。

 

 

購入してきたお客様はどうするかというと、品質は置いといて安いものを探します。

安かろう悪かろう・・・今まで100回使えたものが50回しか使えない、となると果たして安く上がっているのか・・・

それは買う側の判断なので何とも言えません。