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下着が透けないデザイン

昨日のブログの記事「下着の透けない生地」の続きです。

 

下着が透けない生地は何、ということで色々な生地の透け具合を試して見たのですが、結局透けない生地というと衣料用ではない帆布になってしまいました。

帆布で作った浴衣はゴワゴワでカチカチで着られませんし、もし作ったとしても快適とはとても言えません。

 

じゃあどうしても下着が透けるの?というと(ホント、極論を言うお客様も多いのです)、いやいやそこはデザインによって工夫できます。

 

本仕立て用の浴衣生地より少し厚めの旅館浴衣用の生地で、デザインによってどう変わるのか試してみました。

 

 

30/20別岡 旅館浴衣用生地
30/20別岡 旅館浴衣用生地

上の写真は、旅館浴衣に主に使われる「30/20別岡生地」です。

かなり透けています。

が、実際旅館浴衣として使う時には、事前に整理工程を行いゴミやホコリを取り除き、シワを伸ばします。

また顔料プリント後も整理工程を行いますので、生地は収縮して厚みが出ます。

収縮すると生地の目が詰まり、透けにくくなってきます。

 

 

それを踏まえて、まず一般的な「白地に紺色」の生地です。

 

 

正直、思ったよりも透けていません。

白地が出ているところでは透けて見えますが、整理工程を繰り返した生地は透けにくくなっている事がわかります。

また、当然のことながら、細かい柄がベタに乗っているデザインは、より一層透けにくいと言えます。

 

 

色物も三種類試してみました。

 

 

「下着が透けるかどうか」は、生地の厚さではなくデザインであることが何となくわかっていただけたでしょうか。

 

元々浴衣は形が決まった形ですので、あとはデザインが勝負になります。

そのデザインにも「下着が透けない」といった機能的な役割もあることがわかります。

単純に見た目が良いだけではなく、使う人、使う目的によってデザインは作られるべきだと考えます。

 

 

今回、ざっくりと基本的なデザインで実験してみましたが、新たな浴衣のデザインを作る場合の参考になればと思います。