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昔の旅館浴衣のデザイン2

縫製工場から、昔の浴衣が出てきたから何とかならないか、との相談を受けてネットショップに掲載しました。

その中の浴衣の話です。

 

Yahoo!ショッピング アウトレット 浴衣

 旅館浴衣 日本製 汚れあり 白紺A柄:https://store.shopping.yahoo.co.jp/ryokan-yukata/ayu-j019.html

 

 

白地に紺一色といういかにもなデザインです。

ぱっと見、特に目新しい感じもしないでしょう。

 

 

でも改めてみると、旅館浴衣としてとても優れたデザインになっています。

 

 

旅館浴衣に求められているデザイン。

 

  • 老若男女、どんな人が着ても映える。
  • 外の日差しではなく、屋内で着て映える。
  • どこの浴衣なのか、わかりやすい。
  • 色落ちしにくい。

 

今の流行は多色使いの浴衣ですが、カタログはすらりとした美男美女のモデルさんが着ていてとても似合っていますが、実際その浴衣を着るのはモデルのような人ばかりではありません。

老人もいれば、太った人、やせた人、髪の長い人、髪が薄い人・・・色々な普通の人が着ます。

普通の人はモデルのような着方はできませんし、着た時の印象も違います。

 

また浴衣を着る人の多くは、日本人お含めた黄色人種です。

肌の黄色い人は、紺色の浴衣の方が顔がきれいに映えます。

(実際に映画やCMで俳優さんが旅館浴衣を着る場合、白地に紺色のデザインを指定されます。俳優さんの顔がきれいに見えるから、だそうです)

 

 

上記に記載したことを念頭にこの浴衣を見てみると、とても良いデザインではないでしょうか?

さらに、実際はこの浴衣の上に羽織が付きます。紺色の羽織を着たところを想像すると・・・

 

金髪の女の子が着た場合、小太りの中年の男の人が着た場合、白髪のご老人が着た場合・・・、どれもきちんと納まって見えると想像できます。

これだけ色々な人々が同じデザインの浴衣を着て、そしてそれぞれきちんと見栄えするのですから、このデザインはとても優れていると思います。

 

 

この浴衣が作られたのは、数十年前です。

まだバブルの前です。

 

まだまだ着物を着る人が多かった時代です(昔のTVドラマを見ると、正月などはみんな着物を着ていたころです)

着物を見慣れている時代ですので、このような「人が着て映える」デザインができたのだと思います。

 

 

 

といいますか、浴衣をデザインする人は着物を着られないと、できれば着慣れていないといけないのはこうゆう事です。

着物を着ていないと、実際に着て映えるデザインがわかりません。

紙や画面の中だけではわからない部分です。

 

今回、昔の旅館浴衣を色々と見せていただき、とても勉強になりました。