毎年10月に開催されている「着物サローネ」。
今年の開催日は、10/4~6の三日間でした。
毎年とても楽しみにしているイベントで、今年も10/5、6の二日間行ってきました。
開催場所は、東京の日本橋。
日本橋と言えば、僕のイメージではとても高級なところ。三越を代表して、高級デパートが立ち並んでいるところです。
やはり、日本橋は周りの空気が違う気がして、普通の木綿着物では気後れしてしまいます。
なので、普段よりも少しお洒落なキモノで行ってきました。
「着物サローネ」は、着物好きな呉服屋さんやメーカーさんが集まって、着物関連のイベントと商品の展示販売を行うイベントです。
特徴は、開催者が「着物好き」だという事。、ええ、これが大事。
イベントには、ここぞとばかりに全国から着物好きが集まります。
ていうか、僕ももれなくその一人。
久々に会う遠くから来た着物の友人たちと、おしゃべりをし、一緒にブースを回ったり、と楽しい時間を過ごしました。
自分一人の感覚では見逃してしまう物も多いのですが、友人と一緒に回ると新しい良い物の発見があって、とても刺激的です。
会場にはステージが作られ、そこでエッセイストの「きくちいま」さんや、着付けの先生など、着物関連のイベントが行われます。
歩き疲れたら、今度はステージを観る。
ステージが終わったら、また会場を歩き回る。
その繰り返しがとても楽しいのです。
弊社は、主にオリジナルの浴衣の制作を行っていて、こうゆうイベントに出店する一般販売の商品は作っておりません。
ですが、使われるお客様が違うだけで、和装というカテゴリーから見れば一般のお客さんも業務用のお客さんも一緒。
作る側が製品にかける”愛情”に変わりはありません。
浴衣とは、着物の中の一つの種類。
素材が違うだけで、基本的には仕立ては一緒。
着物を理解しないと、当然浴衣も作れません。
浴衣を作るには、着物への愛情は不可欠、まぁ個人的にですが、僕はそう思っています。
「着物サローネ」には、仕事で行っているのではなく着物好きな個人で行っているのですが、やはり作りてさん達と話をすると仕事系の話になってしまいます。
今回も色々な方々と話をしてきました。
西陣の職人の方々や桐生市の職人の方などなど。
お話ししていて思ったのは、今和装業界の変わり目に来ているんだな、ということ。
今まで繊維産業は細かく分業化されていて、その形態でコスト削減、納期短縮を行ってきましたが、分業化の中で廃業するトコロが増えたため、一つの会社ですべてを行う方向が見られてきます。
技術を守るためには仕方ないことですが、その分コストは上がり、納期も以前ほど短くできません。
そのことに気が付いていない、昔ながらの値段先行型の販売店もまだまだ多く(え、こんなに高いならよそで買うでいいよ、みたいな)、でもそこに気が付いて作る人がきちんと暮らしていけるような価格で販売していくトコロも徐々に増えてきていて、なるほど今が変わり目なんだなと感じました。
繊維業界は、平均年齢高めの業界です。
自分の歳からいうと、まだまだひよっこに相当します。
ですが、今変革の時期にある着物業界に危機感を持って少しづつ変えていこうとしているのは、ちょうど自分と同じくらいの年代の人ばかり。その動きを年配の熟練者の方々はどのように感じているのか・・・・
今、和装業界は荒波の真っただ中にいるのですが、今後この波をどうやって乗り越えていくのは、自分なりに考えて進めていきたいと思います。