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浴衣の季節が終わります

お盆が過ぎ、今年もとうとう浴衣の季節が終わりに近づいてきました。

自宅には、今年は袖を通せなかった浴衣があります。

浴衣は気軽なモノですので、ついつい毎年作ってしまいます。なので気がついたら、ひと夏で着こなせない数の浴衣ができてしまいます。

 

昔から着ている方は、「お盆を過ぎたら浴衣は恥ずかしいね」と言いますが、最近は8月いっぱい浴衣を着る人も増えてきたと感じます。

まぁお盆過ぎても盛夏のような日が続いていたりしますから、8月いっぱいまでは可笑しくない感じもあったりします。

 

 

ところで、

浴衣の季節=浴衣を着ても可笑しくない時期、という意味でお話をしています。

 

 

最近は「浴衣って着ても良い季節があるの?」って聞かれることも多くなってきました。

ですが正確には「浴衣は一年中着てもよいけど(個人の趣味だから)、季節を選ばないと可笑しく見えるよ。」という答えになります。

 

 

浴衣を着ても可笑しく見えない季節は、

 

 7月、8月の午後3時以降

 

浴衣って洋服に例えると、Tシャツ短パン です。

Tシャツ短パンって、かなり身軽な服装です。一歩間違えると外に出ていくのがはばかられる、部屋着のような格好です。

Tシャツ短パンでどこまで出かけられます?

近所のコンビニは行けますよね。近所のスーパーも大丈夫。

じゃあ映画を観にいけます?歌舞伎とかちょっと豪華な演劇とかは行けます?

新幹線に乗って東京銀座に買い物とか行けますか?

 

別に個人の格好ですから、基本的には好きにすれば良いので、Tシャツ短パンでどこでもでかけちゃう人は居ます。

結婚式の二次会とかでもTシャツ短パンとか、そんな人も居ます。

 

けど傍から見ると、どこでもTシャツ短パンで行っちゃう人は顔をしかめて見られる存在だったりします。

 

浴衣も同じこと。

簡単にいうと、TPOをわきまえたほうが良いですよ、です。

浴衣も服ですから、着る場所、タイミングを考えて着ましょう、ということです。

 

じゃあ、浴衣はいつどこに着ていけばよいのか、というと、時期は

 

 7月、8月の午後3時以降

 

で、どのようなところに着ていけばよいのかというと、Tシャツ短パンで行けるトコロ、になります。

 

 

 

もちろん、今、上で話したことは、本仕立ての個人が持っている外着用の浴衣の話です。

 

キャンペーンとか展示会とか、お祭り(参加する側)とかで着る浴衣は違います。

というか、キャンペーンとかの浴衣って、ユニフォーム的な物ですから、可笑しくはありません。

 

また旅館やホテルで提供される寝間着仕立ての浴衣も当てはまりません。

寝間着仕立ては文字通り寝間着ですので、洋服で言うところのパジャマです。

なのでパジャマで行けるところは、寝間着仕立ての浴衣でも大丈夫です。

(と言ってもパジャマで出かけることは無いので、基本的に部屋着となりますが)

 

 

 

こうやって「浴衣を着る季節」って話をすると、「そんな格式ばったことを言うから着物が廃れたんだ。」と言ってくる人もいます。ていうかけっこういます。

 

うーん、日本人の感性として、日本人なら誰でも持っている感性として、8月過ぎての浴衣とか春先の浴衣とかはおかしいよね、と言っているつもりなんですが。

日本人の感性がだんだん薄くなっているということでしょうか。

それなら、和装を扱う者として、和装が好きな者としてとても悲しく思います。

 

洋服だって季節で着分けるんだから、浴衣も着分けましょう、と言いたいだけなんですが・・・