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晒の違いが色に出る

旅館浴衣は、特殊な顔料プリントでプリントいたします。

特殊なプリント=ディクセル方式顔料プリント、これは旅館浴衣専用のプリント方法で、普通の顔料プリントよりも高い耐久性があります。(特に湿摩擦の耐久性が高い=洗濯の時の色落ちが少ない)

 

 

弊社では、新しいデザインの旅館浴衣を作る際は必ず色のチェックで染工場に足を運びます。

現場でこれからプリントするモノの色を見ながら職人さんたちと話しをし、その場で色のOKを出しています。

 

 

 

先日、新しい旅館浴衣をこれからプリントするぞ、というときの話。

 

「生地問屋から入ってきた生地ですけど、生地が国産品と中国製品が入ってきていますが・・・・」

 

染工場は染めを行うトコロ。生地はこちらの持ち込みです。

浴衣をプリントする場合は、生地問屋に必要なメーターの生地を注文し、染工場に入れてもらいます。

生地が入ってきたら、染工場はプリントを行います。

 

今回、生地問屋が必要な量を確保できなかったので、半分半分で国産と中国製の生地が入ることとなりました。

一応、糸番手も打ち込み本数も同じ。

 

 

けど試し染めを行ったところ・・・・・

 

 

見てわかる、地色の違い。

これだけ違うと使えません。

 

ちなみに国産生地と中国製の生地を縫い合わせで、同じ顔料で一緒にプリントしたのが上記の結果です。

 

普段は一つの浴衣でしたら中国製の生地か国産生地のどちらかだけでプリントします。

なので同じ浴衣で出処の違う生地を使うことはありません。

 

 

なぜここまで違ってしまうのか。

晒の違いではないのか、というのが職人さんたちの意見。

 

晒が違うと顔料の染み込み具合が違い、そこで強く見える色、隠れてしまう色ができてしまい、異なる色の生地となってしまうそうです。(また中国製の生地の場合、表示されている通りの糸の打ち込み本数かどうかも問題ですが)

 

 

さてこれをどうするのか。

そこは職人さんたちの腕の見せどころで、プリント圧力や速度を変えて国産と中国製の生地の違いをなくします。

また縫製も、国産生地は国産生地だけで仕立。中国製の生地はそれだけで仕立。部品が混ざることがないように縫製します。

 

 

 

こんなふうに晒しの違いがプリントの色のちがいになってしまうことは、ままあります。

同じ浴衣でしたら、追加注文の際には同じ出処の生地を使わないと同じ色になりません。

 

かなり細かい話かもしれませんが、きっちりと色にこだわって弊社では浴衣を作っています。