「高校のイベントの時に、浴衣を作って着たいのですが、一枚いくらくらいでしょう?」
もちろんオリジナルの浴衣を作るのは、弊社得意とするところですのですので作ることに関しては問題ありません。でも枚数やデザインによって、1枚の価格は変わってきます。
何枚くらいご希望されていますか?何かご希望のデザインはありますか?あとイベントで使うというと本仕立てでしょうか?それとも寝巻仕立?
「枚数は10枚くらい・・・、デザインはまだ決まっていません。仕立は本仕立てです。」
その枚数ですと”注染”か”インクジェット”で作るしかありません。
注染で作った場合、1枚10000円前後、インクジェットですと23,000円~。注染の場合は別途型 代が必要で、インクジェットの場合は別途データ変換料が必要です。
あと、どんなふうにお使いになられるのですか?
「この浴衣を着て踊るのですが・・・」
それでしたら、注染の方が汗をきちんと吸い取って、風合いも柔らかですので”注染”をお薦めいたします。
注染とは、生地を蛇腹状に折りたたみながら色のつかないところに糊を付け、糊で土手を作った後に染料を注ぎ込んで一気に染める染め方です。
染料を使うので、風合いが柔らか。
また一型で多色染めが出来る、伝統的な方法です。
注染用のデザインの特徴は、生地を蛇腹状に折りたたむので文字を入れる場合は、鏡面文字をところどころ入れます。鏡面文字にしないと、二枚目に入った文字がすべて逆になってしまいます。
今回の浴衣、デザインはお客様が起こすことになりました。
上記の通り、鏡面文字を入れること、型の大きさは40cm✕100cmであることを告げて作ってもらうことになりました。
しばらくしてデザインが2つ上がってきました。
それを弊社にて、浴衣に仕立てた時の形と染めた後の生地の状態のデザインを起こしました。
やはり四角いデザインだけでは、なかなかイメージがつきにくいと思います。
ですので、大体になりますが浴衣の形に納めて、染めた後の生地の状態も作って、それから判断してもらいます。
「やっぱり名前は反対のところが出てきてしまうのですね。」
注染ですと仕方ありません。でも着物を着慣れている人、お年寄りなんかは、文字が裏返っているのは当たり前、ひっくり返っていない方がおかしい、とおっしゃいます。
「では、1番のデザインでお願いします。また枚数とサイズをきちんと見て連絡をいたします。」
先に型を作っていくのですが、型が出来上がるまで約2週間。
型が上る前に枚数とサイズがわかれば、問題ありません。
結局、枚数は16枚になりました。
サイズもMとLで作り分けをいたします。
型が出来上がったら、すぐに染めを行い、縫製へ。
着るのは男性だけとのことで、仕立も男性用の仕立になります。
ちょうど繁忙期を過ぎたところでしたので、特に問題もなく作ることができました。
イベントで使う場合は、期日に気を使います。
今回は、全てが順調に出来上がってきました。
お客様も喜んでくださり、こちらとしても感謝しております。