本仕立ての浴衣と、旅館浴衣は別物です。
旅館浴衣は基本的には「寝間着(パジャマ)」なので、
温泉宿の近くに買い物に行く程度なら問題ありませんが、外出にはあまり適していません。
同じ「浴衣」と名前が付いていますが、なぜ違うのか。
それは使う目的が違うからです。
本仕立ての浴衣は、夏に着る着物の一種。
なので仕立は着物と同じ仕立てとなります。
もちろん男性用、女性用と仕立て方が違い、男性用は着丈で作り、女性用は衣紋を抜くためソラシが有り、おはしょりすることを前提で仕立てられます。
旅館浴衣は、寝間着用。
別名「寝巻仕立て浴衣」と呼ばれる通り、パジャマと同じ扱いです。洗濯しやすいように筒袖だったり(筒袖には寝ている時の巻き込み防止もあります)、男女の違いがなかったりします。
![旅館浴衣の仕立](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=570x10000:format=gif/path/sc165f17bb730e57e/image/i4f88047c775261a5/version/1478420293/%E6%97%85%E9%A4%A8%E6%B5%B4%E8%A1%A3%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%AB%8B.gif)
元々、浴衣は反物を仕立て作られるもの。
本仕立ての浴衣は、1反で1枚。当然10反だったら、10枚となります。
しかし旅館浴衣は、効率よく生産できるように考えられていて10反で12枚作れるように仕立てられています。
この寝巻仕立てを考えたのは、静岡県浜松市の縫製屋さんです。
どの縫製屋さんが考えたかは諸説色々ありますが、元々全国一の浴衣の産地である浜松市で生まれた事は、当然の事かもしれません。