「イベントで使う物なんだけど、何かオリジナルの物を作りたくて・・・」
と言われても、すみません、ある程度参考になるヒントが無いとこちらも提案できません。
「そうそう、晒生地の端切れがたくさんあって、しかも浜松で作ったオーガニックコットンなんだけど、それで何か出来ないかなぁ。」
と言う事で見せていただいた生地は、”端切れ”と言う通りの幅36cm、長さは色々ですが長くても90cmくらいの物ばかり。
これでは着るものは出来ない市、じゃあ袋とかカバンとかは?
「できるだけ安い物が良いんだけど・・・」
では一番取りやすい45cmくらいの長さで、”ハーフ手ぬぐい”もしくは”ハンカチ”とか。
縫い目は裁断面の二か所だけなら、かなり価格を抑えられますよ。
無地だとちょっと寂しいので、シルクスクリーンでプリントを入れて・・
そんなこんなの話しの中から、全面プリントしたハンカチに決まりました。
さて、まず取り掛かったのは、プリントのデザインです。
デザインは知り合いのデザイナーが作ると言うので、じゃあ出来たら見せてくださいね。
シルクスクリーンプリントは、しっかりと繊維一本一本に染料が染み込むので丈夫な半面、細かいデザインができません。大体ですが2mm以下の線、空白は染料の染み込みで潰れてしまいます。
また1色につき1型必要のため、色を使えば使うほど型代がかかってきます。
と言う話をしながら最初にデザインが上がってきました。
うーん・・・猫の顔の中がつぶれそう・・・・
最初のデザインを見て閃いた事。
茶色とピンクがくっついているトコロが少ないので、これは1型で行けるかも!
実際にプリントする時、例えば猫の部分をテープで隠してハート部分をプリントし、次にハート部分を隠して猫をプリントすれば、1型で済んでしまいます。
もちろんそのためには、ピンクとこげ茶の重なりを少なくしなければいけませんが。
ということで、新たなデザインが上がってきました。
うん、これなら型は1つでいけます。
デザインもこれでOK。
シルクスクリーンの型は、製作に大体2週間くらいかかります。
その間に、裁断縫製を済ませ、出来上がったら即プリント工場へ。
後は型が出来上がってきたら、1枚ずつプリントをしていきます。
実はイベントまでの日数がギリギリでした(汗)
でも思った以上に良いハンカチが出来上がりました。
素材的にも、浜松製のオーガニックコットンでもあり安心して使う事が出来ます。
気が付いたら、素材、縫製、プリントの全てが浜松市内。
顔の見える職人さんの作品となりました。