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昔の旅館浴衣のデザイン1

縫製工場から、昔の浴衣が出てきたから何とかならないか、との相談を受けてネットショップに掲載しました。

 

Yahoo!ショッピング アウトレット 浴衣

 旅館浴衣 日本製 汚れあり 白紺B柄:https://store.shopping.yahoo.co.jp/ryokan-yukata/ayu-j020.html

 

 

その浴衣は、数十年前に作られた今ではもう見なくなったものばかり。

改めて昔の旅館浴衣のデザインを見ると、今とは違った良い作りのものがあります。

 

 

こちらの浴衣は、某リネンサプライで定番品として作られたものだそうです。

 

 

生地は、二巾のセルフィーと呼ばれる生地です。

セルフィーとは、テトロンの芯に木綿糸を巻き付けた化繊混紡の旅館浴衣専用に開発された生地です。

芯にテトロンが入っているので丈夫で収縮も少なく、肌にあふれる部分は木綿ですので肌触りも良いのが特徴です。

 

ですがコストの割には思ったほどの効果がなかったそうで、数年だけ生産されて終わったそうです。

終わったそうです、というのは、自分がこの業界に入る前に生産された生地だそうで、となるとこの浴衣も一体何年前の物でしょう。

 

 

この浴衣の素性を調べて、プリント工場、縫製工場に話を聞きました。

で分かったことは、一見単純そうな伝統柄の浴衣に見えますが、とても手の込んだ作り方になっていました。

 

 

 

なんと! 衿とオクミは別にプリントした生地を使っています。

 

要は柄の大きさ、太さをそろえるため、衿とオクミ用の染め型を作り、本体とは別に生地をプリントしているという事です。

当然用尺は本体とオクミ、衿では違いますから、一回生産するにはかなり大きなロットで作りしかありません。

最初に作るときは問題ありませんが(最初なので大量に生産するから)、使っていくうちに出てきた不足分を補充するとき、100枚、200枚じゃあできません。

 

このこだわり具合は、昔ならではのこだわりです。

今では「大きくてカラフルな花」とか「たくさん色を使っています」みたいな、一見してわかる派手なデザインになりがちですが、昔はわかる人にはわかる、というより人が着て、そこで改めて分かる凝ったデザインがありました。

 

 

今回、プリント工場にて判明したこの作り方。

「ううむ・・・・」と唸ってしまいました。